ガバナーメッセージ
― 地区スローガン ―
「クラブが主役となり、奉仕の理念の実践を!」
(The Ideal of Service)
月信13号 2020-21
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- ガバナー任期を終えて -
2021 年盛夏、1 年遅れの夏季五輪が日本で開催され、世界中から集まったアスリート達による熱戦が各競技場にて繰り広げられています。今回の大会ビジョンは、 すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)・ 一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)・ そして、未来につなげよう(未来への継承)、この3 つが基本コンセプトとの事です。多様性と調和はRI の、そして未来への継承は今年度の梶原等ガバナーの地区運営方針に共通するものがあり、ロータリーのコンセプトは全世界のあらゆるシーンで人々が望む共通の要素を多大に含む、ファンダメンタルなものと改めて認識する次第です。
振り返りますと、2020 年度はまさにwith Corona の時代でした。ロータリーにおいても、クラブの皆様は、様々な制限の中活動を再開すべく、オンラインの導入など新しい扉を多く開かれました。一方、年度初めに発表の運びとなりました地区グループ再編成に関しては、その後地区内の皆様から多くのご意見を頂戴し、結果実施を延期とさせていただきました。再編成に同意いただいた方々、そして反対意見を表明いただいた方々のそれぞれには、大変申し訳ない所存でございます。
2020 年の秋には、国際ロータリー(RI) による組織の再構築案 Shaping Rotary’s Future(SRF) が発表されました。このSRF に関しては、ガバナー月信でも折に触れてお伝えして参りましたが、それ以上の詳細な情報は現時点では届いておりません。しかし万が一、地区が再構築されたとしても、主役はクラブであり、クラブの会員の皆様お一人お一人でございます。RI が提唱しているキーワード・DEI -多様性(Diversity)・公平さ(Equity)・インクルージョン(Inclusion) -を、会員の皆様が自クラブに反映していただくことは、クラブの活性化(Revitalize) に繋がるものです。元気のあるクラブからは、奉仕の理念の実践、すなわち他人を思いやり他人のためになることをするための、無限のアイデアが生まれることでしょう。ロータリークラブに入会するということは、自己研鑽・友情を土台としたフェローシップ・そして地域や世界での奉仕といった様々な機会が提供される扉の中に入ったということです。会員の皆様におかれましては、この特権を十分に活用し、世界の平和と地球環境の保全を視野に入れていただきながら、新たな機会の扉を開き続け、より豊かな人生を送られますことを衷心より祈念申し上げます。
結びにあたり、GND 時代から、若輩に加え浅学菲才の私をご丁寧にご指導いただきました地区研修リーダー・青木貞雄パストガバナーには、言葉では言い表せない程の感謝の気持ちで一杯です。青木パストガバナーのデータ収集/ 分析/ 取り纏めのお力は完璧なものでございましたし、大変心強く感じておりました。加えて、1 年半にわたりご協力いただいた14 名のガバナー補佐の皆様、そして地区チームの皆様には、あらゆる意味で特別な年度となりました2020-21 年度ですが、ご一緒出来ました事にとても有難く嬉しく思っております。地区内クラブのサポーターとして多大なご尽力を賜りました事に、改めて敬意と感謝を表する次第です。そして最後に、波乱万丈な年度となりましたが、公式訪問をはじめ各所で叱咤激励をいただきました地区内クラブの全ての会員の皆様には、心より感謝を申し上げます。ひとりの人間として、数々を学ぶ事が叶いました。ありがとうございました!!
2021年06月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- ロータリー親睦活動月間によせて -
親睦-Fellowship
今月は、ロータリー親睦活動月間です。1923-24 年度にRI 会長に就任したガイ・ガンディカー氏によると、ロータリーで言う親睦-Fellowship とは、友情-Friendship よりも一段強く、ロータリーの目的や理念を共にする仲間意識を指すものです。ガンディカー氏は、その仲間意識を育む場として、クラブ例会や奉仕活動をはじめとした、ロータリアンが集う全ての場と定義しています。ですので、私達の多くが認識している親睦活動、つまりゴルフや会食、釣りといった、娯楽を目的として集う会員の活動とは、少し異なります。
ロータリー親睦活動グループ
国際ロータリーより公式に認定を受け、独立して運営される、ロータリー親睦活動グループというものがあります。ロータリー親睦活動グループは、共通の趣味・関心事を土台としたロータリー会員の集まりです。90近くのグループがあり、「スキー」「ゴルフ」といったスポーツはもとより、「手品」「顎ひげと口ひげ」などユニークなグループ、「野生生物の保全」「経営幹部」などのグループもあります。どんなグループがあるかは、RI のホームページより検索出来ますので、ご自身に合ったグループに加わり、国を超えて仲間意識を高める活動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。それぞれのグループは独自の会則及び会費があります。「乗馬」というグループもありますので、私はガバナーの任期を終えたら、加入を試みようかと思っています。
SRF に関して (Shaping Rotary's Future ロータリー未来形成)
さて本年2月のガバナー月信でもご案内致しました、RI が検討しているSRF ですが、当地区では、RI から発信される情報を精査し地区内会員に発信するための、タスクフォースを結成させていただきます。また、梶原等ガバナーエレクトの組織図内、ロータリー情報委員会においても、SRF に注視していただけるようです。現段階ではまだまだRI からの情報が不足しておりますので、次年度以降でも継承していただけますことに安堵しています。
1 年間を振り返り
ガバナー月信における私のご挨拶とご報告も今回で最後です。若輩に加え浅学菲才の身でありながらガバナーノミニーデジグネイトとなり、地区チームの一員となりましてから、あっという間の3 年半でございました。会員の皆様には、地区運営へのご理解ご協力に心より御礼を申し上げます。また私達が新型コロナウイルスとのお付き合いを始めて1 年半近くが経過致します。この想定外のパンデミックは、クラブの皆様も同様と拝察致しますが、地区の諸活動も様々な制限を受けて参りました。そのような中で柔軟性をもって、新しい生活様式に対応すること止む無しと受け止め、適応力を高めて、先般も前代未聞の無観客地区大会を開催致しました。ご視聴いただいた会員の皆様へは、深く感謝申し上げます。来月にスタートする梶原等ガバナー年度におきましても、皆様の倍旧のご厚誼をお願い申し上げますとともに、まずは皆様のご健康を衷心より祈念申し上げます。1 年間ありがとうございました。
2021年05月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- 青少年奉仕月間によせて -
次年度へ向けて
さて5 月となり、私のロータリーにおける年度もあと2ケ月を切りました。梶原等ガバナーエレクトは、緊急事態宣言発令中、そして3 月中旬の解除後、地区チーム研修セミナー及び会長エレクト研修セミナーを、一部規模を縮小されながらも、オンラインを導入して見事に実施されました。また今年度のガバナー補佐の皆様には、担当するクラブの課題や問題点を挙げていただき、引き続き改善に取り組んでいただいておりますが、この情報も梶原ガバナーエレクトそして次年度ガバナー補佐の皆様とも共有させていただき、サポートを必要とされるクラブのお役に立ちたく考えております。
青少年育成プログラム
今月は青少年奉仕月間です。5 大奉仕部門の最後に、2010 年に正式に導入された青少年奉仕(当時は新世代奉仕)は、青少年育成プログラムを通じて若者の成長を促し、彼らが地域社会や世界において、より良い変革をもたらすことを目標としています。具体的なプログラムとして当地区では、青少年交換をはじめ、インターアクト、ロータリー青少年指導者養成プログラム(RYLA)を実施。以前はこの中にローターアクトも含まれていましたが、一昨年の規定審議会を経てローターアクトクラブもロータリークラブと同等の扱いをするという決定のもと、正規の青少年プログラムから外れています。
当地区の現況
さて当地区には、14 のインターアクトクラブ、6 つのローターアクトクラブがありますが、CORVID-19 の影響下、年次大会や国外研修を中止とする、あるいはオンラインで実施せざるを得ない状況でした。RYLA につきましては、本年2 月の開催予定を止む無く断念、青少年交換におきましても、今年度に続き次年度(2021-22 年度)の実施が中止となり、候補生の学生さんの落胆はいかばかりかとお察し申し上げます。そして何よりも、これらのプログラムに携わっていただきました各委員会の皆様には、困難な状況の中でのご対応に、感謝を申し上げます。CORVID-19 が終息を迎え、再び地域や世界を自由に移動出来る状況を、期待を込めて待ちたいと考えます。
東日本大震災被災地復興チャリティコンサート
そんな中、当月信の裏表紙にご報告の通り、ロータリー希望の風奨学金へのチャリティを目的としたコンサートが、当地区ロータリー学友連絡小委員会主催のもと、3 月21 日に、オンライン配信とリアルのハイブリット形式で開催されました。このコンサートは、ロータリーの青少年育成プログラム参加者、あるいは元ロータリー財団奨学生、元米山奨学生といった、様々なプログラムを経験したロータリー学友と呼ばれる方々を中心に、国や年代を超えた多様性からなるパフォーマンスで構成されました。
特に今年は年度当初より、私の希望で、学友会の横の繋がりの強化をお願い致しました。そのため、ロータリー学友連絡小委員会の井上大輔委員長と委員の皆様、また奨学生・学友小委員会の冨一美委員長と委員の皆様には、他地区の学友会活動の事例研究にお取組みいただきましたことに改めて御礼を申し上げます。また今年で10 年の節目を迎えます、東日本大震災の被災遺児を支援するための、ロータリー希望の風奨学金への支援を考えておりましたが、今般、当地区でも初めての試みとなる、このようなチャリティコンサートを実施していただき、学友や委員の皆様に、衷心より敬意と感謝を申し上げます。
今回のこのコンサートが、学友の交流や結束に発展し、次からは学友会や青少年が主導してイベントを企画実施し、他人を思いやり他人のためになることをするための機会となりますことを祈念申し上げます。
2021年04月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- 母子の健康月間によせて -
ホルガー・クナークRI 会長とのZoom ミーティング
さる2 月中旬、日本のガバナーと地域リーダーが参加し、ホルガー・クナークRI 会長とのZoomミーティングが開催されました。私は光栄にも、辰野克彦RI 理事より、クナーク会長へ質問や意見を申すようご指名をいただきました。当日私は、日本における女性会員数の伸び悩みについてお話申し上げ、2022 年7 月にはRI 初の女性会長が就任する事にも触れました。そして今後もRI の方から、地域で世界で良いことをするための仲間として、女性会員の増強を更に効果的に推進していただきたい旨を申しました。クナーク会長によると、母国ドイツでも女性会員のいないクラブがあるそうで、当方の悩みにご理解を示されました。そして会長は、年齢や性別を超え多種多様な人びとの集まりから生まれる、理念や行動の多様性 (Diversity) の大切さについて言及されました。いずれにしても私にとりまして、大変貴重な経験でございました。
母子の健康の現状
毎年、600 万人弱の5 歳未満の子どもが、栄養失調をはじめ適切な医療や衛生設備の欠如により、命を落としています。ロータリーは、すべての母子が医療提供を正しく受け、共に健やかに成長出来ることを目標とし、「母子の健康」を重点分野の1つとしています。具体的には、清潔で安全な出産キットの寄贈、蚊帳の配布、移動式クリニックカーの贈呈など物品面での援助のほか、医療従事者に対し医療や出産に関する正しい知識を習得してもらうための教育も実施しています。
当地区での事例
今年度、千葉RC からの推薦で、グローバル補助金奨学生として選出された關まり子さんの研究テーマは、ロータリーの重点分野「母子の健康」に関連する、「女性の健康」です。詳細につきましては、ガバナー月信11 月号に記載されておりますので省略しますが、關さんは、留学先のユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの大学院にて、世界中の女性が安全に避妊・妊娠・出産・子育てのできる世界を実現したいという確固たる目標のもと、勉学に励まれております。
今年1月に入り飛び込んできたもう1つの嬉しいニュースは、柏南RC 申請のグローバル補助金プロジェクトに対し、ロータリー財団の正式な承認が下りた事です。柏南RC は、前年度に地区補助金を利用し、ケニアの小学校や児童施設などで教育支援の1 つとして、日本人演奏家によるコンサートを開催されました。そしてその折に、現地のティカRC との交流をスタート、ケニアにおける母子の健康という課題について取り組まれました。結果、妊娠中の母親と子どもの為に特に質の高い医療を提供するため、ケニア・カグンドゥイニ診療施設へ医療機器や備品を寄贈、併せてケニア保険局による医療従事者に対する研修を実施し、持続可能な施設の維持を目指すというグローバル補助金プロジェクトの申請に至りました。今般、地区補助金をきっかけにグローバル補助金に取り組まれる柏南RC の皆様に心よりの敬意を表しますと共に、プロジェクトが順調に遂行され、最終報告をお聞きすることを楽しみにしております。
2021年03月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- 水と衛生月間によせて -
グループ再編成施行の延期
先月のガバナー月信にて、地区グループ再編成につきご理解をお願い致しましたが、既にご案内の通り、地区内クラブの皆様からお寄せいただきましたご意見を鑑み、グループ再編成施行を延期とさせていただきますことを改めてご報告申し上げます。ご意見をいただきました皆様には感謝申し上げると共に、クラブの永続的維持・発展と活性化のためのDLP へのご理解ご協力を重ねてお願い申し上げます。私自身、今般の件が大きな騒動となりましたことにつき、ガバナーとして重大に受け止めており、深くお詫び申し上げる次第です。残る任期においては、特に7 月1 日からの梶原等ガバナー年度がスムーズにスタートを切れますよう、一意専心で臨む所存でございます。
緊急事態宣言下で
日本から近い台湾で開催予定であった国際大会は、残念ながらバーチャル開催が決定致しました。千葉県の緊急事態宣言も延長下にありますが、微に入り細に渡りの規制と緩和を思い悩むよりは、「不要不急の外出は控える」、この言葉を一人一人が心がけることに尽きると考えます。ロータリー活動としては、地区内多くのクラブが、1 月2 月の例会を取消し、或はオンラインにて実施をしている状況です。地区行事に関しては残念ながらRYLA は中止、IM なども一部延期の措置が取られていますが、地区セミナーもオンライン併用を導入するなど、全般的にwith コロナの生活様式への適応力を高めております。
東日本大震災から10 年
さて早いもので、あの未曽有の大惨事である東日本大震災から10 年が経過しようとしています。地震・津波による様々な犠牲に加え、原子力発電所の事故そしてメルトダウンは、世界に衝撃を与えました。今なお、4 万人以上の方々が、被災した故郷を離れ、全国各地で避難生活を送っています。当地区も今年度は、あの震災を風化させない為にも、地区組織にFestive Year委員会を設置、チャリティーイベントを実施して、広く一般の方々へ希望の風奨学金やポリオ根絶活動の認知を図る予定でしたが、コロナ禍のために断念せざるを得ませんでした。故・織田吉郎ガバナーが設立に尽力されたロータリー希望の風奨学金につきましては、10 年の節目を機に、改めて地区内クラブの皆様へご理解をお願いする所存です。
水と衛生
さて昨年末から年明けにかけて、南房総地域では、降雨不足による小向ダムの貯水率の著しい低下が見られました。かろうじて断水には至らなかった(と聞き及んでおります)が、年の瀬の時期に、住民の皆様は不安に思われたことと拝察致します。生活の根本に欠かせない最重要要素である水、とりわけ清潔な水を、日本ではほぼ当然のように享受していますが、ご周知の通り世界では8 億人以上の人が清潔な水を利用できません。
衛生なくして経済なし
明治から昭和にかけて活躍した政治家の後藤新平氏は、当時ドイツからの最新の公衆衛生学を日本に導入、更には統治下であった台湾にも適用し、疫病の蔓延を改善しました。氏の「衛生なくして経済なし」という名言は、国民一人一人が健康体でなければ、国家の基盤維持、更には発展も難しいというメッセージです。現在の日本政府の方向性は、経済を止めることなく疫病を封じ込めよう、と受け止めておりますが、後藤氏の観点から考えると、まずはコロナ対策ありきで、国民を健康な状態に戻すこと、それが最大の経済政策に繋がるということでしょうか。かつての月信でも述べましたが、日本は他国と比べて衛生観念が高いほうと認識しております。私達ロータリアンは、清潔な水の利用に必要な設備等の物的援助、そしてなぜ正しい衛生観念が大切かという啓蒙活動の2 つの面をもって、より多くの国や地域で、人々が安心して飲める水が、中長期的に確保出来るようにしなければならないと考えます。
2021年02月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- 平和構築と紛争予防月間によせて -
ガバナー公式訪問を終えて
昨年7 月23 日よりスタートしたガバナー公式訪問では、会長幹事懇談会をはじめ例会そしてクラブ協議会と、クラブ会長幹事様をはじめ会員の皆様との交流が叶いましたことに、大変嬉しく思っております。また公式訪問の段取りをいただきました担当ガバナー補佐の皆様にも、御礼申し上げる次第です。
公式訪問を通じて感じた事は、コロナ禍による当面のクラブ運営、及び活動に皆様が苦労されていることは元より、多くのクラブが、会員減少、会員研修強化等の会員基盤向上、及び活動内容充実等々のクラブ運営・活動の基本に関わる問題を抱えていることです。これらクラブが抱える長年の課題改善には、ガバナー補佐が主体となり、ガバナー等と緊密な連携の下にクラブに寄り添い、かつ、クラブと一緒に中長期的観点から課題解決、活動の活性化に取組むのがDLP 導入の目的の1 つです。皆様には、ガバナー公式訪問を通じて今般のグループ再編成の目的、意義等につきご理解を頂くべくご説明してまいったつもりですが、グループ内クラブ数及び会員数の平準化、及びグループ数の削減を基に、ガバナー補佐が更に効果的なクラブサポートを実践するための今般のグループ再編成につき、改めてご理解をお願い申し上げます。
ロータリーの未来形成(Shaping Rotary’s Future = SRF)
昨年12 月、辰野克彦RI 理事招集のもと、ロータリーの未来形成に関する報告及び意見交換会がオンラインにて開催されました。2018 年7 月に、バリー・ラシン元RI 会長を委員長として発足したロータリー未来形成委員会(略してSRF 委員会)において検討されてきたそうです。この委員会の存在もこれまで極秘でしたが、つい最近公開に踏み切り、今般の計画報告となったようです。
計画の内容は?
計画の内容は下記の通りです。
① 現在世界に存在する34 ゾーンはそのままに、言語や文化等によって地域(リージョン)の区分けを導入、日本は全体で1つの地域となる。
② ロータリアンと同等の地位となるローターアクトクラブを加え、日本国内を102 のセクションのクラブ群に分割する。
③ ①を統括する地域カウンシルを1 名、クラブの選挙で選出、その任期は3 年。また②のセクションを統括するセクションリーダーを設置し、その任期は2 年。
つまり地区及びガバナー制度を廃止し、その代わりに上記の体制を設けるという事です。
2022 年規定審議会に上程
組織規程の変更となりますので、RI 理事会は2022年規定審議会に制定案として提出を予定、その投票結果が注視されます。もし採択となった場合でも、一定期間パイロット地区によるテスト運用を実施し、正式に全世界に導入されるのは10 年後の2030 年と聞いております。なぜこのような体制に変更するのか、またその効果、人頭分担金などはどうなるのか等々、現時点(2020年12 月) では情報が不足しております、今後のRI からの発信に着目してゆきたいと考えます。
平和の推進にむけて
さて今月は平和構築と紛争予防月間、少々スケールの大きい月間タイトルです。私達が平和の推進にむけて出来ることを考えると、例えば6 つの重点分野に即した活動を実践することで、平和な社会の環境整備に繋がりますし、或はポリオワクチン接種のための、紛争地域における人道的停戦の交渉などが挙げられます。
ロータリー平和フェローシップ
ロータリー平和フェローシップは、ロータリー財団の奨学金プログラムの一つです。ロータリーが提携する世界の7 ケ所8 大学内に、ロータリー平和センターが設置されており、そのうちの1 つが日本の国際基督教大学です。これらのセンターで学ぶ学生=ロータリー平和フェローを選考・奨学金を授与し、平和な社会実現のための未来のリーダーを育成することが目的です。本年度には、ウガンダのマケレレ大学に、アフリカ初の新たなセンターがオープンしました。
ロータリー平和フェローへの期待
卒業後の進路は、国連をはじめ各国政府機関や国際非政府組織などで、平和と紛争解決のために活躍しています。今年は当地区でも、国際基督教大学に通う3 名のフェローを、船橋みなと・柏・千葉西RC 様がそれぞれ推薦クラブとなり、お世話いただいております事には深く感謝申し上げます。また、このプログラムを全国各地で周知する事を目的とした、広報アンバサダーという要職には、プログラムに対する永年のご尽力とご功績により、当地区の山﨑敬生様(市川RC 所属)が選出、就任されております。争いのない世界を目指し、物心両面での平和構築リーダー育成へのご理解ご協力を、改めてお願い申し上げます。
2021年01月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- 職業奉仕月間によせて -
新年を迎えて
新年明けましておめでとうございます。さて年末年始は、カウントダウンのイベント、或は初詣などの密を避けてお過ごしになった方々も多いかと拝察致します。帰省などもオンラインが推奨される時代です。リアルに知人友人と会う事の叶わないもどかしさも承知しておりますが、引き続き、安全第一での生活が続くと思われます。地区セミナーにおきましても、各委員長そしてチームのご尽力により、オンラインを併用した形が定着しつつあり、私たちは一つの新しい扉を開いたと確信しております。
ロータリー研究会
昨年11 月24 日にロータリー財団地域セミナー、翌25 日にはロータリー研究会がオンラインにて開催されました。対象は国際ロータリー1a.2.3 地域(つまり日本全国です)のパストガバナー・ガバナー・ガバナーエレクトやガバナーノミニー、地区ロータリー財団委員長などで、国際ロータリーとロータリー財団の現況や5 ケ年の見通し等の報告がありました。クナークRI 会長は、コロナと共生する時代に突入したことに触れ、クラブの在り方やそのモデル、例会の方法等に多様性・柔軟性を持たせることの大切さ、そしてクラブの活動においては、創意工夫をもって、RI の4 つの行動計画の「適応力を高める」の実践を強調されました。会員の皆様におかれましては、どうか無理をせずに、しかし「コロナ禍だから何も出来ない」の状況から、「コロナ禍の中でもこれだけ出来た」と、可能性のある活動の実践の模索をお願い致したく思います。
DEI
ロータリー研究会でもう一つ印象に残った言葉があります。それはDEI という言葉で、D=Diversity(多様性)、E=Equity(公平さ)、I=Inclusion( 開放性)との事です。多様性は5 つの中核的価値観の一つであり、公平さは4 つのテストの「みんなに公平か」そのもので、開放性はローターアクトクラブを国際ロータリーに迎え入れることであるとの説明がありました。国際ロータリーはこのDEI を推奨・実践してゆくという事です。私見でございますが、国際ロータリーの新たな標語として加わる気配を感じております。
職業奉仕
今月は職業奉仕月間です。公式訪問の折にご紹介した、クナークRI 会長のメッセージにも、「日本のロータリアンは職業奉仕と親睦を大切にしています」とあります。大変日本の事情に精通された会長でいらっしゃいますね。過去からの礎は職業奉仕、即ち自分の職業や活動を通して社会に貢献すること、これは今も昔も変わらない、一つの大切な定義です。日本においては、職業奉仕の理念を説き学ぶ事に重点が置かれがちですが、自分のスキルを活かして奉仕活動の実践に役立てる事も職業奉仕の範疇に含まれております。ここで思い出すのは、2017-18 年度の当地区ガバナー・寺嶋哲生氏の掲げられた地区スローガン「理念と実践」です。理念の選択は実践を否定せず、実践は理念を否定しない。理念なき実践は時には凶器となりうるし、実践なき理念も時には空虚なものとなりうると考えます。職業奉仕についても、理念と実践が共生すべきであり、それが相乗効果を生み、自分自身の、あるいは周囲の人々への、新しい機会のドアを開くことに繋がると信じています。
2020年12月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- 疾病予防と治療月間によせて -
ガバナー公式訪問
7月下旬からスタート致しましたガバナー公式訪問は、現在(10月下旬)80%終了致しました。会長幹事懇談会に始まり、例会・クラブ協議会が定番のスタイルでございますが、特に前半の公式訪問においてはコロナ禍の影響により、オンラインのみにて実施(1クラブ)や、ハイブリッド方式(対面式とオンラインの併用)の導入、或いは全体的な時間短縮の措置が取られ、新しい生活様式の元での公式訪問を体感した次第です。どのような形態であれ、暖かくお迎えいただきました全てのクラブの皆様に、感謝申し上げます。
ポリオ根絶のために
10月24日は世界ポリオデーという事で、毎年世界各地でクラブや地区主催のイベントが開催されております。今年はコロナ禍の影響により、従前の活動に代えて、オンラインを利用したイベントや、密を避けての工夫を凝らした企画により、私達が目指すポリオ根絶活動を効果的に地域や世界へ発信することが出来ました。ポリオ根絶のためのワクチン接種の重要性は、ポリオ発症予防の基本中の基本です。今般のガバナー公式訪問においても、「ロータリーはいつまでポリオ根絶の活動を続けるのか?」との問いがありました。人類が、史上初めて天然痘という1 つの感染症を根絶するまで、ワクチン接種をスタートしてから実に182年かかっております。ですので、ここでポリオ根絶を諦めてはいけません。
コロナそしてインフルエンザ
コロナ予防にしても、そしてこれからの時期に蔓延の可能性が高いインフルエンザの予防にしても、やはり有効な手段は衛生面への配慮です。手を洗うという習慣は、日本の神道における手水や水浴行為といった禊(みそぎ)が基となり、私達には自然に身についているものと推測します。日本におけるコロナの封じ込めがJapan Miracle と言われているのも、このような習慣が私達のDNA に刷り込まれていることが大きいかと考えます。
ロータリー行動グループ
ご自身の専門的スキルや知識を社会や世界のために生かすべく、世界中の人が集まって行動しているのが、ロータリー行動グループです。さまざまな分野のグループがそれぞれ独立して活動しており、ロータリーの4つの行動計画の1 つである「より大きなインパクトをもたらす」を支えるため、プロジェクトの計画と実施のために専門知識を提供したり、協力者(パートナー)、資金などを確保するためのサポートを実施し、クラブや地区に協力しています。疾病予防と治療に関する分野では、次の13のロータリー行動グループがあります:薬物中毒防止、アルツハイマーと認知症、失明予防、献血、糖尿病、家族の健康/ エイズ予防、保健教育と福祉、聴覚、肝炎の根絶、マラリア、メンタルヘルス、多発性硬化症、ポリオサバイバー。
まずは世界平和
ポリオ根絶ワクチン投与にしても、紛争地域においてはその実施が困難となり、現在はパキスタン・アフガニスタンの2国での罹患者が残っています。第一次世界大戦の折に大流行し、戦死者の4倍もの死者を誘発したスペイン風邪も、戦争優先という当時の情勢の結果でしょう。戦争や紛争、宗教などで争っている人類が、まずは冷静になり、一致団結して疾病予防のために協力することが不可欠です。そしてその結果、私達自身が、健康で生活出来る事への基本的な価値観を見出し大切にし、争いからの永遠の脱却に繋がる事を願うばかりです。
2020年11月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- ロータリー財団月間によせて -
私のロータリーモーメント
毎日午後3 時を過ぎると、コロナウイルス感染者数のニュースをチェックし、その数字に一喜一憂する日々が未だ続いておりますが、そんな中、多くの地区内クラブの皆様が、オンライン開催を含め、公式訪問例会を実施して下さることに感謝申し上げます。
公式訪問でのクラブ協議会では、今年は特に私の希望で、クラブの代表会員から「私のロータリーモーメント」を語っていただいております。これは、ロータリーに入会して体験した様々な出来事の中で、心に残ったエピソードをお話しいただくものです。私にとってのロータリーモーメントNo.1 は、所属クラブでグローバル補助金を利用し、スリランカの劣悪な井戸水を利用している村や学校に、浄水設備を寄贈したプロジェクトに起因します。ある小さな村での竣工式で、その日のための晴れ着を着た子ども達(でも靴はありません、裸足です)が、新しい浄水器を通して蛇口からの水を嬉しそうに飲む笑顔を見届けたその瞬間が、ロータリー活動を続けてきて本当に良かったと思った時でした。
RI のロータリー財団の成長
1905 年にたった4 名でスタートしたロータリーが、120 万弱の会員組織になることを、創設者ポール・ハリス氏は予想していませんでした。そして1917 年に当時のRI 会長アーチ・クランフ氏が、「世界でよいことをする」ために、僅か26 ドル50 セントでスタートした財団は、1947 年ポール・ハリス氏逝去の際の遺言「私への献花ではなく財団へ寄付を」をきっかけに一気に基金を増やし、今日まで何百万という人のために人道的支援を行ってきました。
物心両面でのサポート
ただお金を寄付するのであれば、UNICEF やその他多くの受け皿となる団体への寄付でも良いでしょう。ロータリー財団へ寄付をすることは、ポリオ根絶活動をはじめ私達の手の及ばない地域への援助となるばかりでなく、クラブで地区補助金やグローバル補助金を申請してプロジェクトを立案実践し、私達が現場に出向き見届けながら、その地域の人々の心に寄り添うことを体感できるのです。また補助金による派遣奨学生やロータリー平和フェローに対しても、奨学金を授与するだけでなく、現地のロータリアンやカウンセラーとの交流を通じて、将来世界平和の構築に貢献するための奨学生を支えています。財団への寄付は、正に物心両面でのサポートと言えるでしょう。
寄付目標へのご理解を
先月の月信にて、財団資金管理・寄付推進小委員会の北村謙介委員長からもコメントがございましたが、当地区の年次基金寄付総額は、関東エリアの10 地区において、例年ほぼ最下位です。ここ数年の当地区年次基金寄付目標額は、お一人当たり150.00 ドル以上ですが、過去4 年間それを下回っている結果です。ポリオ根絶や世界の平和のため、或いはそれらを実践出来るような人材育成のための、地区が設定しました目標額のご寄付を、改めてお願い申し上げる次第です。コロナ禍の中、会員の皆様におかれましては、寄付どころではないと仰る方もいらっしゃいましょう。可能な範囲での皆様からのご協力により、関東エリア最下位からの脱却も程なく訪れると信じております。寄付は、「第二の奉仕」です。
2020年10月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- 経済と地域社会の発展月間/ 米山月間によせて -
奉仕の理念の実践
ロータリアンの奉仕の理念の実践については、ご周知の通り、困っている人に物品やノウハウを提供するだけではなく、それらが地域の人々によって永続的に維持される、即ち持続可能性が伴わなければなりません。世界の開発途上国において、あるいは先進国における特定地域においても、多くのロータリアンやクラブは、地域経済の発展のため、そして貧困をなくすために、持続可能性を念頭に置き、その地で必要とされるスキルの提供や小口融資(マイクロローン)を支援するなど、様々な活動をして参りました。
地区内クラブの諸活動
さて7 月末より、ガバナー公式訪問をスタートさせていただいておりますが、コロナ禍を鑑み、各クラブのリクエストに合わせ、通常の公式訪問スケジュールのみならず、一部時間短縮やオンラインを導入しながらの実施となっております。その中で、他クラブの奉仕活動の様子を知りたいというご意見を多々いただきました。ここに、今年度の地区補助金を利用しての、各クラブの「地域社会の発展」のためのプロジェクトをご紹介致します:(下表)
米山月間
併せまして今月は、日本独自のRI 承認他地区合同プログラム「米山月間」です。日本に留学している学生を応援するためのプログラムで、我が国における民間最大の奨学団体であります。このプログラムの素晴らしい所は、ただ奨学金を授与するだけでなく、それぞれの留学生に世話クラブとカウンセラーが付き、留学生のご担当教職員と共に、不安なく日本での勉学・生活を継続出来るよう、心に寄り添う、正に物心両面でのサポートをするということと考えます。
米山学友会
更に特筆すべきは、留学期間を終えた学生の多くが、同窓会にあたる米山学友会の一員となり、米山記念奨学会の目的の一つである「母国と日本の架け橋」になるべく活躍すると同時に、現役米山奨学生へのサポートを担う、素晴らしいシステムが確立されていることです。現在米山学友会は国内に33、海外に9 あり、これも国内最大級クラスの同窓会組織と言えましょう。私も多くの米山学友会の方々とお会いして参りましたが、様々な国からの学友が、日本語を流暢に話しながら、将来の夢や世界平和について真摯に語り合う姿に感銘を受けております。地区内クラブの皆様には、一人でも多くの米山記念奨学生をサポートするための、今後のご寄付並びに世話クラブのお引き受けを改めてお願い申し上げます。
2020年09月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- 基本的教育と識字率向上月間によせて -
識字率の現状
識字率とは文字の読み書きが出来る人の割合のことです。日本では初等教育における義務教育化が功を奏し、純就学率は男女ともに100%、識字率についても世界上位に位置付けられておりますが、世界では識字率が80%に満たない国や地域が多々あります。2017 年のデータですが、文字の読み書きが出来ない人は約7 憶5000 万人、15 歳以上の6 人に1 人となっています。
識字率が低い国の背景
識字率の低い国や地域は、第2 次世界大戦後に独立した開発途上国に多く、その後も紛争や差別によって経済的困窮を極めている背景があります。学校に通えない子どもが多く、また女子よりも男子の教育を尊重する傾向があります。
どのようなリスクがあるか
文字が読めない・計算が出来ないなど、最低限の教育を受けられないことは、どのようなリスクがあるのでしょうか。
まず日常における危険を認識するための警告などの文字情報が理解できず、命の危機にさらされます。計算が出来ないことは、就業に必要な技術や情報の習得に不利ですし、賃金を騙されるといった可能性も含んでいます。必要な知識や技術を持てず、識字もままならない状況は、仕事を選ぶことが出来ず、子どもたちの世代まで貧困といった負のスパイラルに陥ることもあります。
地区内ロータリークラブの活動実績
「基本的教育と識字率向上」は、国際ロータリーとロータリー財団が定める6 つの重点分野の1 つです。世界で多くのロータリアンが、財団の補助金を利用したり、他団体と協力をして、この問題解決のための活動を実施しています。当地区内クラブでも、地区補助金を利用して海外への支援が実施されておりますが、一部をご紹介します。
● 2018-19 年度
ラオス国へ図書館建設・図書寄贈(千葉港RC)
カンボジア・スマオン小学校教室の屋根修理(東金RC)
● 2019-20 年度
ミャンマー小学校舎改修及び学用品寄贈(船橋東RC)
ベトナム・ハノイ市の3 中学校へ教材支援(木更津RC)
タイ・アカ族の小学校補修と教室増設(柏RC)
タイ・アカ族の村及び学校の環境整備(柏西RC)
開発途上国への支援の取り組み
まずは全ての子どもたちに、教育を受ける機会を整え、文字の読み書きができることを増やすこと、それが環境に変化をもたらし、将来の貧困からの脱出を促して、国と地域の経済そのものの発展に繋がるはずです。また開発途上国には、成人でも読み書きができない人がいることを忘れてはいけません。これらの子どもたちや成人への支援は主に海外での活動となるため、実施にはハードルがやや高いかもしれませんが、本当に困っている人々に役立つことをするのがロータリアンの使命の一つです。新しい活動の扉を開く取り組みを、クラブ内で検討してみてはいかがでしょうか。
2020年08月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- 会員増強・新クラブ結成推進月間によせて -
~まずは今の仲間を大切に!~
諸岡靖彦直前ガバナーへ感謝
この原稿を書いている現在は6 月下旬、間もなくロータリー年度が改まるカウントダウンを迎えております。本年3 月以降、コロナ禍の為に、クラブ例会はもとより地区行事も悉く中止となり、6 月に開催される恒例の地区フェアウェルパーティーも早期の中止を余儀なくされました。本来であれば、地区役員・委員の皆様そしてクラブ会長幹事の皆様とご一緒に、特に諸岡靖彦直前ガバナーご夫妻をはじめ堀口路加直前地区幹事長そして幹事団の皆様への、地区運営に対する謝意を表する場でございました。昨秋の台風被害や今般のコロナ禍など、予期せぬ出来事が多々ございました中、臨機応変に対応される諸岡直前ガバナーのお取組みに敬意を表するとともに、ご指導に対する御礼を、この場を借り心より申し上げる次第です。
会員状況
さて諸岡直前ガバナーは、地区内会員数3,000人・うち女性会員300 人・30 人以下のクラブの基盤強化・3 クラブ新設を提唱されました。現在の第2790 地区が誕生した1991 年以降の会員数は毎年4千人台、クラブ数も増加しましたが、1999 年以降の会員数は減少傾向がみられ、本年6 月末時点での会員数は2,741 人です。世界のロータリー会員数も、1996 年に120 万人を突破したものの、ずっと横ばい状態です。
会員基盤の維持
直近のRI 会長はみな会員増強を強力に推進しておりますが、今年度のホルガー・クナークRI 会長は、方針表明の中で、会員増強に関しては慎重にと述べております。会員数の増加だけに拘るのではなく、自分のクラブに合った会員選びを慎重に行い、ひとたび入会したら生涯ロータリアンでいてもらうことの大切さを説かれました。会員基盤の維持です。ロータリーの年度替わりの時期には、退会者数も増加の傾向にありますが、今年はコロナ禍の影響により例年より多くの会員が離れていくのではないかと懸念されます。
クラブが主役=会員が主役
私は今年度地区活動方針につき、「クラブが主役となり、奉仕の理念の実践を!」というスローガンを提唱致しました。そのためには、会員お1 人お1人が主役となり、ロータリーを楽しんでいただかなければなりません。折角入会しても3 年~ 5 年で退会してしまう会員が多いのは、ロータリーで得るもの、即ち自己研鑽の機会であり、友情であり、地域や世界で他人の為になることをすることの素晴らしさ、これらを体感する前に、離れていってしまうのではないでしょうか。「ロータリー解析」執筆者のヴィヴィアン・カーター氏もその著書の中で、「個人個人や会員全体が幸せで活発で役に立つ存在であることは、結果として、クラブが幸せで活発で役に立つ存在であることを意味する。」と語っています。
今を大切に
どうぞ今一度、クラブ内を見渡して下さい。コロナ禍により事業継続が厳しく、退会を検討している会員には、規定審議会を経て柔軟性が導入された標準ロータリー定款への適応力を高め、会員身分や出席に関する例外を細則に適用し、クラブに留まっていただくことも一考です。またご自分が今までに経験した、心に残るロータリー体験(ロータリーモーメント)を伝え、ロータリーの魅力を伝播して下さい。諸岡直前ガバナーが提唱された3,333 運動は目標としながら、まずは今の大切な仲間を失うことなく、願わくば各クラブ純増名をお願いする次第です。
2020年07月
国際ロータリー第2790地区
2020-21年度 ガバナー
漆原 摂子 (勝浦 RC)
- クラブが主役となり、奉仕の理念(The Ideal of Service)の実践を! -
令和の御代のロータリー年度が動き出しました。振り返れば平成の30年間は、歴史上大きな転換点となる峠をいくつも越えて来たように思われます。
世界的にはベルリンの壁が崩れて(1989・平成元年11月)東西冷戦は終結しましたが、その後は思ってもみなかった、全く違う政治的社会状況が現われてきました。リーマンショックは世界同時不況を招き、各地で多発するテロは各国を身構えさせ、局地紛争は難民をつくり、政治は極右に傾き、ITが政争の具となり米中貿易摩擦に至ります。大きな世界情勢も身近な生活社会の状況にも、格差と対決、そして分断が進んでいます。
国内ではバブル株価崩壊(1990・平成2年初)に端を発した金融崩壊や産業再編に至る未曽有のデフレ局面、「アベノミクス」という政府と日銀の金融・財政総動員政策の下に、漸く経済成長が復活した局面、湯水のごとく市場にマネーを投じても思い通りに経済も社会も浮上しない今の局面と、混沌がなおも続いています。阪神・淡路大震災、東日本大震災をはじめとした大自然が全国各地で牙を剥き、災害が続発し、多くの犠牲者を出しました。少子高齢社会、働き方改革が叫ばれていますが、うまく適応できず、人手不足は深刻さを増しています。見えないところで地域社会の空洞化が進んでいることが心配です。
ロータリーを巡る状況にも、それらの出来事は大きな影を落としています。マローニー会長は先の国際協議会で、会員増強が直近20年間で足踏みを続けてきていることに強い危機感を表明しています。かつてないほどに分断されている世界を再び結び付ける力は「ロータリー」にこそあります。ROTARY CONNECTS THE WORLD! 「ロータリーは世界をつなぐ」、その役割を担うのは私たちロータリアンです。世界で比類なき基盤を有するロータリーを通じて、人類のすばらしい多様性とつながり、奉仕と友情、そしてコミットメントを通じて世界の人々とつながり、ロータリーを成長させましょう。新しい会員モデルをつくり、入会への新しい道を開き、新しいニーズにかなうロータリークラブとローターアクトクラブをつくりましょう。これがマローニー会長の念願です。
ロータリーの未来を形づくるのはクラブです。刻一刻と変化する現実に対応するために、ロータリーはクラブに注力してゆかなければなりません。地域に根ざすクラブは柔軟性と刷新性をもって、戦略計画を立て、地域の可能性を求めて誇りを取り戻さなければなりません。地区ロータリーを元気にするために数値目標を立てました。地区3,000会員、300女性会員、30会員未満のクラブの基盤強化、3クラブ(RCでもRACでも衛星クラブでも)新設を目指します。そしてロータリーから千葉を元気に!していきましょう。